
master+mind+R第5弾!
ASAKI(BUG/AGE of PUNK/ex.GUNIW TOOLS)
+ 高木フトシ(vez/ex.HATE HONEY/ex.BAD SiX BABiES)
+ 新宿心音会板谷祐(THE SLUT BANKS/ex.ZI:KILL/ex.CRAZE)
現在の音楽ブームを築き上げてきた同世代3人の対談がここに実現!!
バンド・ユニット・ソロ。
様々な活動をしてきている彼らが現在思う事とは一体何なのか?
普段から仲の良い3人なだけに話は尽きない…。
(text:どうきょうみゆき)
3人の出会い
“この人とは絶対仲良くなれる” “良い人” “パンクのおっかない人”
ASAKI 俺が最初にフトシと会ったのは、1999年の西新宿にLOFTがあった時だよね。“西新宿最後のWEEK”っていうコンセプトのイベントがあって、そのうちの1日にHATE HONEYが出てたんだよ。俺もそこにセッションバンド組んで出てたんだけど、そこで初めて会ったのかな。
祐 はい! それは何ていうバンドですか?
ASAKI 名も無い即席バンド。
高木 あぁ! あれボーカル誰だったっけ?
ASAKI 俺だよ、俺!
祐 ははは! 出会いだよ! 出会いの話なのに覚えてないの? (笑)
高木 俺、全然覚えてないんだけど…(笑)。
ASAKI それが初めての出会いなんだけど、家が近所だったからその後しょっちゅう会いつつ、2003年に池袋手刀でAGE of PUNKとHATE HONEYが初めて対バンしたんだよ。その時HATEが「TEENAGE ATTITUDE」という曲をリハでやってて、それ聴いて“ヤベー!”って思って、その後「Can't Take My Eyes Off You」をやって“超カッコイイ!”って思ったんだよ。
高木 いいよ、そんな細かい話は(照笑)。
ASAKI その時フトシがギター持ってて、モニターの人に「すいません! ヘビーメタルみたいな音にして下さい!」って言ってるのを聞いて“絶対仲良くなろう!”“絶対仲良くなれる!”と思った。
一同 (爆笑)
高木 当時フライングV使ってたからね! で、打ち上げで話そうと思ってたのにASAKIちゃんはその時打ち上げ出ないでさっさと帰っちゃったんだよ。“何だよ、話したかったのに!”って。でもASAKIちゃんは実は俺の友達と仲良かったの。後日その友達から「ASAKIちゃんと今飲んでるから来い」って電話が掛かってきて、家も近所だったから「行く行く!」って行って一緒に飲んでね。そこからだんだん仲良くなっていったんだよ。
ASAKI うん、そうだね。祐君とは、ZI:KILLは元々知ってたから札幌でやってる時に観に行った事もあったし。祐君がTHE SLUT BANKSやってる頃にちょうど俺がGUNIE TOOLSでデビューしたんだけど、そのファンの子の中にTHE SLUT BANKSに通っている子もいて、その子を通して祐君の話はよく聞いてて。だから“いつか会うだろうな”とは思ってた。その後、俺がBUGに入ってからの事なんだけど、デンジャー・クルーのイベントでCITTA’でやった時のリハの時に、なぜか祐君がスタジオにいたんだよ。そこで「噂はかねがね〜」的な感じで初めて会ったんだよね。
祐 でもちゃんと話したのは高木君家だよね!
ASAKI そう(笑)。
一同 (笑)
祐 それなんだったっけ? そうだ! 高木君と“何か一緒にイベントやろう”って話になって高木君家に飲みに行ったら、ASAKI君が近くに住んでるって言うから!
高木 そう、呼んだんだよね!
ASAKI そう、襲撃かけられたの(笑)。
祐 そうだ! その時ASAKI君はBUCK-TICKの人と飲んでたんだけど、「BUCK-TICKの人と飲むと2、3日掛かるから中抜けしても大丈夫だよ」って言って中抜けして来たの(笑)。そしたら1人テンション高くてね!
ASAKI その後すぐトイレでオエーって吐いてた(笑)。
高木 そう! 吐いて玄関で寝て全く動かなくなって。うちの玄関で!(笑)
祐 あれにはホント困ったよね(笑)。高木君と俺は神奈川出身だし地元が近かったりするんだよね。だから昔から知っていたと言えば知っていたんだけど、初めて会ったのも西新宿のLOFTだったよね。
高木 そうそう、未だに覚えてる。
祐 高木君が携帯電話を持った時で、俺、電話番号もらってさ。
高木 祐くんは家電の番号だったんだよね。
祐 当然そうだよ!(笑)
高木 俺、エクスタシー(エクスタシーレコード)っていうレーベルの中で居場所がない人間だったの。
祐 あれ? エクスタシーだったっけ?
高木 そうだよ、HATEはエクスタシー所属(当時はTHE HATE HONEYという表記だった)だよ、何言ってんの?(笑)
祐 そうか! そうだった!
高木 まぁそうだったんだけど、その中でも唯一祐君とKEN(ex.ZI:KILL)だけは自然に話せたの。正直他の人は分からなかったけど、2人にはお世話になったと思ってる。すごい良い人だったんだよ(笑)。良い人って言うか、最初っからこんな感じだった(笑)。
祐 俺はむしろ印象は逆で、“なんかパンクのおっかない人だな”と思ってた。が、つい最近ですよ、“あ、この人は結構人情派だな”って。
ASAKI ははは!
高木 そうですね、はい(笑)。
祐 意外に人情派だよねぇ。
高木 俺ホントね、ヘルズ・キッチンの頃とか、二言目には「俺死にてー、あぁもう死にてー」って、死にてー死にてーばかり言ってたからね。
一同 (爆笑)
高木 そういう人間だったからさ、あの頃は完全に。全部拒絶と言うか“どうでもいい”って感じだったから。
祐 この間、柏でのライブの時に帰りが一緒だったんだけど、タケシ君 (GRIP.ゴンダタケシ)も言ってたよ、高木君の事。いろいろ解説してた。
ASAKI 面倒くさいヤツだって?
高木 バカだって?
祐 うん。
一同 (爆笑)
高木 うぜー!(笑)
祐 いやぁ、タケシ君は高木君が好きなんだなぁ、って思った。
高木 いやいやいや、俺だってタケシの事大好きだよ。
ASAKI フトシは愛されキャラだよね。
祐 うん。
高木 いや、タケシはね、好き嫌いとかじゃなくて似てるからさ、人間が。ま、あいつの話はどうでもいいよ(笑)。でもここ(高木と祐)もだいぶ似てると思う。
祐 え〜? そう? でも俺は若い子はあんまり好きじゃないけどなぁ。
高木 ははは! 何言ってんだよ!! それ女の趣味だろ!?(笑)
祐 え? 女の趣味の話じゃないの?
一同 (爆笑)
高木 それは置いといて、音楽をやる上での活動方法って言うのかな? いつも祐君が言ってる事に俺はうなずく事が多い。飲んでて音楽絡みの話になった時にもこの男が話す言葉には、大体俺「うん、そう。そうそう。」ってなる事が多い。でも俺がそうなってるといっつもASAKIちゃんが「それ、違くねー!」って!
ASAKI ははは!
祐 噛み付き屋だからねー!
高木 そんな関係だよね、うちらって。祐君は本当にいつも俺が言う前に先に言ってくれる。それは何かね、横にいてすごく温かくなる。“あぁ、同じだな”って。
一同 (沈黙→爆笑)
高木 俺、今仕事しちゃった!(笑) 今の絶対載せてよ! 俺の祐君に対する愛を。また最近は3人一緒にライブをやる事が多いんだけど、いつも遊んでいるようなリハとかになるよね。勿論ライブはそれぞれちゃんとやるけど、その日1日を思い起こすと遊んでいたような記憶が…。特にこの男(祐)と一緒だとね(笑)。だってさー、この男ね! 今日はまだいいけど、絶対先にいるの。俺よりリハが後だとしても絶対先にいるの! まぁそれはそれで偉いんだけど、俺がライブハウスに入るじゃん? すると「オイーッス!」って言いながら「まぁまぁまぁ」ってビールが出てくるんだよ(笑)。
祐 今日も3、4本買ってあったんだけど、君達来るのが遅いからライブ観ながら飲んじゃったよ。
ASAKI 遅いって言っても10分ぐらいしか遅刻してないよ?
祐 その10分が命取りなんだよ。
高木 そう、祐君は1時間ぐらい前にはもう来てるんだよ。
祐 いつも早め早めの行動だからね。(※この取材が行われた日も祐が一番乗りで、指定時刻より1時間前には既に到着していた)
高木 それはいいんだよ。でも会うなりビール差し出された時なんて「まだ朝だよ!?」って(笑)。更にこの男のすごい所は、この間THE ROOSTERSの花田さん(花田裕之)とかと一緒にライブをしたんだけど、そのビッグネームな人達にも「まぁまぁまぁ」ってビールを…(笑)。
一同 (大爆笑)
ASAKI マジで!? バカだねぇ!(笑)
高木 でも嬉しそうに受け取ってくれたんだよね(笑)。
祐 うん、そりゃそうだよ、ロッカーはみんな友達だよ?
高木 しまいにはスルメとかナッツとか広げてさー、「食べる?」って (笑)。
一同 (爆笑)


“新宿LOFTは良いライブをさせる雰囲気のあるハコ”
ASAKI 俺がフトシと一緒にやったのは、LOFTでフトシのユニットAKUHのライブにギターで参加させてもらったのが初なんだよ。
高木 ゲストで来てもらったんだよね。スゲー楽しかった! あの時ASAKIちゃん、LOFT柄(市松模様)のニット帽被ってたんだよ。それをMCで言ったら客が湧いたのは覚えてる。
祐 じゃ“盛り上げるには市松模様の帽子を被れ”と。“そこでつかみはOK!”と。
高木 うん、LOFTはね!(笑)
ASAKI あとその時市松模様の服も着てた(笑)。
祐 うわ〜! やらしー!(笑)
ASAKI あと、個人的にはLOFTでやるとハズすライブがまずないっていうのが自分的には嬉しいかな。何やっても刺激がある。格好良い言い方かも知れないけど、ロックの神様が降りてくる感じ。
祐 “やっぱLOFTだよね”っていうのはあるよね。
ASAKI なんか神聖な感じがある。
一同 あるある。
ASAKI どんなバンドで出ようがライブやってもそうだし、DJやってもそうだし。DJイベントもよくLOFT でやるんだけどさ、有り得ない事がとにかく起こる。呼んでもいないゲストが急に来てみたりとか、この間も今井さん(BUCK-TICK.今井寿)とかユウタさん(BUCK-TICK.樋口豊)とか普通に遊びに来て、普通に踊り狂ってたんだよ。お客さんからしてみたらとんでもない事じゃん? でもそういうのが許される空間がLOFTなんだろうな、と思う。
高木 LOFTはそれこそHATE HONEYとしては人生の一部みたいなもんだし、もう10年間の全てだからさ。LOFTに関してはそこに集約されるというか、上手く口では説明出来ないけどね。最近はあんまりLOFT でライブはやってないけど、いつやってもリハの段階でものすごく安心するんだよ。リハやって一発音出した瞬間に本番への不安がなくなるというのは、多分LOFTだけのような気がする。何なんだろうね? やり慣れてるっていうのもあるかもしれないし、音が良いのかもしれないし、分からないけどあれは不思議。また入り時間に入ると、馴染みの顔(スタッフ)がいるわけじゃん。それも他のライブにはない繋がりっていうのがあるような気がするんだよね。今日こういった形(取材)でLOFTに来ても緊張感まるで無いし。
ASAKI でもステージに出ると緊張感出るんだよね?
高木 うーん、なんか種類が違うんだよね、他のライブハウスでの緊張とLOFTでの緊張って。勝手にそう持っていかれる空気っていうのはLOFTは持ってるよね。良いライブをさせる雰囲気を持ってる。こっちが常にそういう意識でいなきゃダメなんだっていうのは分かるんだけど、俺等も俺等で毎回毎回全部のライブハウスを同じようなテンションと同じような空気でやれるかって言ったら、自分ではやれるつもりでいても絶対に出来てないはずだし。でもLOFTはLOFT在りきの何かがある気は昔からするけどね。
ASAKI 別にエレキだろうかアコースティックだろうが関係ない。全て同じテンションになるよね。
高木 でもLOFT世代ではないじゃん、うちらって多分。そういった点でBOφWY とかビッグネームの人達みたいな伝説をLOFTで作ったか? と言ったら俺達は作ってはいないので、そういった意味でのアウェイ感は未だにあったりはする。俺達は夢を見て音楽やってきてるから、だからこそLOFTの伝説を絶対に壊しちゃいけないという意識が心の根のどっかにあるのかもね。
ASAKI うん、“参加出来て嬉しい”的な感じはある。
高木 ね、そういうのはあるかも。祐君はないかもしれないけど。
祐 いやいやいやいや! 何その注釈!(笑)
一同 (笑)
ASAKI 祐君もお世話になってんじゃないの?
祐 なってますよ。でもLOFTと言えば俺はやっぱZ.O.Aなんだよね。
ASAKI 森川さん?
祐 もしかして一緒にやった? え? いつ?
ASAKI 2002年にAGE of PUNKで。
祐 何のイベントで?
ASAKI アディクションレーベルのお祭りイベントがLOFTであって、森川誠一郎バンドと藤崎ROD(藤崎賢一)さんと一緒に。
祐 あ、そうなんだ! すげーな! それ!
高木 今思い出しだんだけど、この間夜中にカウントダウンTVで桑田(サザンオールスターズ)の特集を2DAYSでやってたの。それ観てたら桑田が「僕が初めてTBSに出たのは、昔ザ・ベストテンっていう番組があって、それに出たんだけどみんな知ってる?」って。「その時僕らは、サザンオールスターズとして新宿LOFTというライブハウスでライブをやってる時に初めて中継っていうものをしたんだけど…」っていう話をしててさ。“新宿LOFT”って言葉が桑田からスッと出てきた時に、“おー! やっぱLOFTスゲーな!”って思って、“LOFTってトコはスゲーんだ!”って感動したんだよね。
ASAKI それは良い話だね!
祐 だねぇ!
高木 だからLOFTって普通にサザンがライブやってた場所で、ザ・ベストテンの中継もやってた場所でって考えるとすごいよね! そんな中新しく阿佐ヶ谷にLOFT(Loft/A)作ったでしょ? 俺の所に“何で阿佐ヶ谷に作ったのか”っていう内容のメールが来たの。それを読んでまた感動したけどね。新宿LOFTの在り方というかね、“もう一度中央線沿線のカルチャーをゼロから”っていう事でしょ? 正直俺は中央線沿線のカルチャーってあんまり好きじゃないんだけど、ライブハウスを作るに当たってそういう意識を持って作るのと、ただ単に“ライブハウスがやりたい、ロックが好きだ”と言って、渋谷とか下北沢にポンポンライブハウスが出来てく姿とは明らかに違うよね。俺程度の人間にメールが来るぐらいだから、そもそも挨拶からしてその辺のライブハウスとは意識が違うよ。だからこそこっちもそういう意識で臨むんじゃないかな、きっと。


各々の魅力
祐 高木君の今回のフライヤーすごいよね。あの文字誰が考えたの?“彼は今も「生きる」ことを選んでいる。そして「愛される生き方を」も。”ってやつ。これスゲーよ、コピー書いた人天才だなと思って。これは素晴らしい文章だよね。“彼は今も「生きる」ことを選んでいる。そして「愛される生き方を」”。
祐&ASAKI “も。”
高木 ははは!
祐 これスンゲー一言だなと思って。要はこの一行に“歌う事を選んでいる”っていうのを凝縮してるわけだよね?
高木 これは、HATEで「teenthrash」っていう曲があるんだけど、そこでまず俺は「生きる事を選べ」っていうメッセージを一回言ってるのよ。そこから高木フトシのちょっと前向きな人生が始まるんだけど、最後の最後に「the last resending teenthrash」(※“last resending”とは“再送”という意味)っていう曲で出したメッセージが「愛される生き方をしろ」「してくれ」と、全員が全員。全員がそういう生き方をすれば世の中誰もがハッピーになるんじゃないのか? っていう。それを更に今回のアルバム『lyrics』で・・・って俺言ってて今スゲー恥ずかしいんだけどさ(笑)、一番最後の「Last Song」って曲のサビの「僕はあなたを愛してる」という歌詞以外は実は全部HATE HONEYの詞なの。
一同 へぇ!
高木 HATE HONEYで書いていた詞を全部織り交ぜて組み合わせて、サビで「僕はあなたを愛してる」と言ってるのよ。だから“これ以上はない”っていうのが『lyrics』なの、実は。
祐 深けぇなー!
高木 俺、実はHATEを解散した時に音楽辞めようと思ってたの。働いた方が楽じゃん? 金もいいしさ。俺って意外と働ける人間だしさ。って思ってんだけど、その時とある人に「お前、伝え切ってないから今でもHATEと同じような詞を書いて歌ってんだろ?」って言われて、ドキッとしたの。だから伝え切ろうと思って。
ASAKI ロマンチストだなぁ。
祐 だよねー! 最近のライブ、この間の柏なんだけど、相変わらずMCじゃそんなにしゃべらないんだけど、しゃべる事が全部ズンズンと心に来るんだよね。「俺が伝えたかった事は…」って話し出して。
高木 はは! やめて、ホント恥ずかしいからやめて!
ASAKI フトシと祐君はネイキッドになれるんだよ。熱さを伝えるのにネイキッドになれるのが、俺の視点からすると羨ましい。俺は裸になる代わりに逆に着る手法を身に付けちゃってるからさ、パソコンだったりテクノだったり。そっちの方で割と対等に勝負出来るかな? とは思ってる。
祐 でもこの間AGE of PUNKのアルバムもらって聴いたら、想像ではもっとテクノかなと思ってたんけど、“なんだ、結構ストレートじゃん、生じゃん!”って思ったんだけどどうですか?
ASAKI 生なんだけど、でもあれ卓録だから、そこで俺のスキルが出てくる。
祐 本当は裸になりたいんじゃないの〜?(笑)
ASAKI いや、なれるもんならなりたいよ!(笑) でもものすごい恥ずかしがり屋なんでね。
高木 そう! 恥ずかしがり屋で、しかも意外とやりたい事やってないんだよ。優しいから気を遣っちゃうわけよ、みんなに。そのバランスを取りながら音楽をやっちゃう人だからさ。
ASAKI だって俺バンドに憧れてるんだもん、ずっと。
祐 あー、それは分かるな。
高木 それも分かるんだけど、俺が「ちょっとASAKIちゃん2人でやろうよ」とか言った時にはさ、趣味爆発するわけよ、仕事じゃねぇから(笑)。
一同 (爆笑)
高木 2人でやってるのがTheTylerGardenっていうユニットなんだけど、めちゃくちゃ良いわけよ! 打ち込み音楽やってる頂点の人達っているじゃん? そういう人達がやってるような事をこの男は平気で出来るんだよ、実は。アレンジなり楽曲なり、音源のチョイスやサンプリングもそうなんだけど出来るわけよ。だけど披露出来る場所がないんだよ(笑)。なもんだから、俺と一緒にやる時に爆発しやがって、一応全部俺の曲なんだけど完全にこの男の曲に生まれ変わってるぐらいのアレンジになってるの(笑)。
ASAKI ははは!
高木 コード進行ですら途中変わったりしてるの。だけど俺の最初に持っていった原曲が100倍良くなってるわけよ。俺のスタッフとか「あの曲がこの曲になったんですか!?」ってみんな驚くもん。
ASAKI 人が驚くのってすげー面白いじゃん。
祐 やっぱりASAKI君は1人で弾き語るって事はないのかな?
高木 うん、ないな。
ASAKI ははは!
祐 そう言えば、タケシ君が「フトシは弾き語りであれだけのソロアルバムを作るんだから、やっぱり腹のくくり方が違うんだよなー」って言ってたよ。
高木 腹のくくり方というか、「やる」と言っちゃった以上はやるしかないよね(笑)。
祐 「俺が言うのも生意気なんだけど、表現力豊かになった感じしないですか?」ってタケシ君に言ったら、「俺もそう思った!」って言ってた。
高木 でもね、あいつら汚いんだよ! 俺の今回の全国ツアーの結果を見てから全国ツアーやろうってみんな言ってるの! 俺、高畠俊太郎(AUTOPILOT)と仲良いんだけど、俊ちゃんも最近弾き語りのソロアルバムを作ったの。でも「ツアーはとりあえずフトシ君が終わってから」って! みんな汚ねぇの、みんな俺を毒味してんの今(笑)。タケシですらそうだからね。「フトシさんが“ツアー良かったよ”って言ったら行こうかなと思って」って!。
一同 (爆笑)
高木 でも絶対行った方がいいと思う。祐君だってツアーやってるしね。
祐 いやでも、みんなこうやってちゃんときちんとしたアルバムを作って、それを伝えるべくツアーをやってるわけじゃん? それとは心意気が違うよ。俺みたいに「あ〜地方行って楽しもう♪」っていう観点とは全然違うよ。
ASAKI 温泉とかね!
祐 うん、「あそこでバーベキューしよう♪」とか!
高木 「あそこの定食屋チョー美味いんだよ♪」とか!
一同 (爆笑)
ASAKI それ完全に旅人だよね(笑)。
祐 今回も、高木君がツアーで沼津入ってたから「沼津行くんだ? じゃ俺も♪」なんて言ってライブハウスに電話して「俺もライブやらしてくれ〜」って感じでぶち込んだんだけど、それはなぜかというと、沼津で行きたいお店があるから♪
高木 そう「高木君、この間言ってた定食屋がここなんだよ♪」ってその定食屋のアドレスをメールで送ってくるんだよ(笑)。
祐 ASAKI君も来ないと!
ASAKI 何が!?
祐 沼津!!(笑)
高木 美味い定食屋があるんだって!!(笑)
一同 (爆笑)
祐 でもね、それがすごく恥ずかしかった…。
高木 何でだよ!?(笑)
一同 (爆笑)
祐 いや、俺はこの間の柏の高木君のライブを観てそう思った。前回は高木君は外人とツアー行ってたじゃん? その時は案内役で「オニガワラ!」とか言ってたけど。
ASAKI ははは!
高木 そう、神社でね、鬼瓦を説明してたの(笑)。
祐 だから“ご機嫌なツアー行ってるな”って感じだったけど、今回はタケシ君流に言うならば腹のくくり方が違う。“このアルバムを伝えようというツアーなんだな”って思った。でもさ、善行(神奈川県藤沢市)でやるんだったらLOFTもやろうよ!
高木 ははは! いやいや、LOFTもやりたいんだよ俺は!
祐 だって「善行Zってどこだよ?」って言ったら怒るんだよ、「地元だろー!」ってさ。
高木 そうだよ、地元だろー!!


音楽で伝えたい事・求めたい事
ASAKI 俺は“音楽はアートである”というのを伝えたいな。
高木 あー、俺も最近分かる。
ASAKI 最近分かる?(笑)
高木 うん、最近分かる(笑)。あのね、音楽は芸術として存在しなかったら、ものすごく陳腐な感じになっちゃうんだろうなと思う。
ASAKI なんかそういうラインがないとどうしてもバンドごっこになっちゃうし、音楽ごっこになっちゃうからそれだけは避けたいなっていうのはある。
高木 ASAKIちゃんの音楽は絵を描くよね。アレンジってそもそも絵を描いたり色を塗ったりする作業なんだけど、それが上手い人だよね。TheTylerGardenでASAKIちゃんが俺の曲をアレンジしてすごいものになって仕上がってきた時に、俺の原曲なんて言ってしまえば下書きじゃん? それが1枚の絵になって上がってきたから、“こんなゴージャスなものになってどうしよう”って思った。
祐 そのTheTylerGarden今日LOFTで演奏していけばいいじゃん? (取材日の5/9はLOFT 9TH ANNIVERSARYファイナルで好きに演奏出来る場があった)
ASAKI ライブはちょっと出来ない(笑)。
高木 うん、やれないやれない。ものすごいいっぱい機材持ってこないと(笑)。
祐 あーそうなんだ(残念)。
高木 ASAKIちゃんは非常にニューウェーブなんだよね。それは日本で1、2位を争うんじゃないかな? 俺みたいなヤツに言われても嬉しくないと思うけど(笑)。
ASAKI この2人(高木と祐)は声がもう芸術的だから、それは俺には出来ない事だからすごいと思うけどね。
祐・・・キタね。
高木 聞いた? 今。芸術だよ、俺ら!(照笑)
ASAKI 普段あんまり誉められないからね! 誉められるとちょっとかゆくなるでしょ?(笑) 祐君は音楽で伝えたい事とかってどうなんですか?
祐 今僕はそういう事を探している時間ですかね…。
ASAKI 旅人ですか?
祐 ハイ…。
ASAKI そこも旅人ですか?(笑)
祐 ハイ…(笑)。やっぱり人生楽しく生きて行こうと思ったらこうなっていたって感じですかね。伝えたい事ってかつてはあったかも知れないし、またこれから出てくるかも知れないけど、今は無くて。
ASAKI 探してる感じ?
祐 こうやって生きていく事が楽しいっていうか。高木君は?
高木 俺は世界を変えたい。
一同 ほほー!!(笑)
高木 いや、本気で! 「音楽で世界は変わらない」って言うじゃん? 俺、そんなんじゃないと思ってるの。多分変わるはずなの。愛と平和に溢れた世界にしたいの。・・・あ、みんな今バカを見るような目で…。
祐 いや、俺は柏のライブを観たからそれは分かるよ! 今の高木君、言っとくけどスゴイから…!
一同 (爆笑)
高木 “今の”って何?“今の”って!! …昔から俺はそう思ってるの!(笑)
祐 いやぁ、ちょっと生意気言わしてもらうと、前まではどっかで高木君も格好つけてた所があったと思うの。それはもしかしたらロックというカテゴリーの中にいたのかもしれない。
ASAKI 一つのファッションとしてね。
祐 そう、ファッションとして。だけどこのアルバムを作り、この旅をしながら、高木君はそれを赤裸々に出す事によって、絵図等で言えば全力で歌ってるから格好悪いんだけど、その格好良さにみんな胸を打たれるんだよ。あの柏のライブはみんな「フトシさん良かったよね」って言ってたからね。
高木 それは嬉しい。そう、だから変わるの絶対! 世界は! やっぱり俺ね最近ホント思うの、求めないとダメなの人って、絶対! みんながみんな、何で愛と平和を求める事が出来ないのか? っていうのが逆に疑問で。例えばロレックスが欲しいと求めるヤツとかさ、すごい淋しいヤツだなって思うの。毎日のニュースとか新聞とか見てても、正直むかつくニュースばっかりじゃん。誰もがそう思ってると思うんだよ。でも誰もがそう思ってるはずなのに、誰も何も言わないし、飲みの話題になるぐらいじゃん。でもさ、飲みの話題になるぐらいだったらそれを無くそうと思った方がいいじゃねー? って。大人が日々それを無くそうと努力しなかったら、生きてる意味がねぇなってすごい思うんだよね、最近。俺、先月で40歳になったんだけど、ここから折り返し死ぬまでずっとそういうことを歌いたいと思ってる。
一同 おー! パチパチパチパチ!!!
高木 いつか「もう辞めたー!」って言う時が来るかも知れないけど、今は歌いたい。これからは生き方というより死に方のような気がするんだよね。“高木フトシどう死ぬ?”っていうカウントダウンに入った気がしたんだよね、最近。
ASAKI ま、死に方って言うと淋しくなるから、仕上げ方だね。
高木 そうだね、仕上げ方だね!
ASAKI そう、勝つまで負ける!
高木 そうそうそう! “勝つまで負ける”は名言だよ! 俺は勝つまで負けるからね!(笑) まぁでもそう思わないと動けない所があったりするんだよ、俺の場合。
ASAKI ファッションはファッションでしかないしね。
祐 俺なんかどっちかって言ったら思えないもん。1人でやってるけど長いスパンで見てるから、今そこまで入っちゃうと自分がパンクするのも分かるし。だから自分なりにバランス取ってやってる。
高木 俺は今の音楽って詞だけが唯一のオリジナルだと思ってるのね。曲に関してはもう焼き回しじゃん全部。あとはテクノロジーが新しい音楽を作っていくしかないでしょ? でも詞だけは唯一のオリジナルだと思ってて。だから絶対にそこだけはブレちゃいけないんだよね。盛岡にツアー行った時に、石川啄木の言葉がいっぱい街中にあったの。そこには古里の山とかに対する詞が書いてあったりするんだけど、“あ、大先輩が居たな”と思って、『lyrics』に関しては。
祐 ははは、壮大だなぁ!
高木 いや、この国にもスゲー大先輩が居たんだなぁと思ってさ。それこそよくよく考えたら例えば与謝野晶子とか戦争中にあの詞を書いてるわけよ。「君死にたまふことなかれ」って。戦時中に詞を書くというその覚悟って、ましてや女性だしものすごい闘いだったと思うんだよ。それって俺ロックだと思うんだよ。
祐 あの〜、その辺の話はゴールデン街とかでやってもらえるかなぁ?
一同 (爆笑)
祐 あんまりみんな付いてこれてないんだけど。それはゴールデン街の方で(笑)。
高木 ははは! そうだねそうだね!(笑)
ASAKI ま、ボジティブ・ジャンキーな所はあるよね(笑)。
高木 そういう思いはある、俺の中にはね。
祐 でもバンドで歌う事って難しいよね。それってバンド在りきで“それいけ!”っていうテーマがあったりさ、みんなで“ジャーン!”っていうのだけでいいかも知れないけど、個人的になると啄木に感銘を受けるという世界になっていくのかも知れないよね。
ASAKI この世代って多分そういうのを分かってるから、自由が利く世代でもあるよね。バンド出来るしユニットも出来るしソロも出来るし。
一同 あぁ、なるほどね!
ASAKI ベスト盤を出した経験のある3人だからね。
高木 ま、僕はメジャー経験ないですけどね、一度も。
祐 あ、そうなの? なんかそれもカッコイイなぁ!
一同 (爆笑)
祐 なんかねぇ! アウトローだなぁ!
高木 アウトロー! アウトロー! 俺アウトロー!(笑)

アーティストとリスナー
祐 俺の事で言えば、今は自分の事でいっぱいいっぱいだから、お客さんにライブを観に来てほしいとか、そこまで考えられないかな。自分としては将来を見て“ぜってぇ見てろよ!”っていう思いがあるから、“今の内に見とけば?”というのはあるけど(笑)。
ASAKI “探してる俺を見てくれ!”って?(笑)
祐 そうそうそう(笑)。お客さんも含め、全体を自分自身まだ見れてないからね。まだ1人でやり始めた駆け出しなんで、そこら辺は高木先輩やASAKI先輩に話しをしていただいた方が。
高木 先輩って…(笑)。でもさ、ファンと自分を分ける人って居るじゃん? ファンとアーティストをね。そもそも俺はカート・コバーンが好きで、カートがエクストリームとツアーを一緒にやった時なんだけど、エクストリームが自家用ジャットで来たの。そしたらそこにファンがガーって寄って行くじゃない? そしたら「ノーキャメラ! ノーキャメラ!」って客を退けようとしたんだよ。それを見たカートは「バカか!? バカじゃねぇのかあいつら!?」って。「誰もお前等の事スゲーと思ってねぇよ」みたいな事をカートが言ってるビデオがあるの。それをHATEやる前に見た事があって、その時に“すっげ! こいつ超カッコイイ!”って思ったの。そこで格好良いと思うんだよね、俺は。ダメなのよ俺、スーパースター気取ったヤツとか。
祐 だからメジャーに行けないんだよ。
一同 (爆笑)
高木 正解! そうなんだよ、マジで!!(笑) それこそBAD SiX(BAD SiX BABiES)の時って結構出待ち入り待ちがいたのね。大阪のワンマンの時「表にファンがいるんで裏から行きましょう」みたいな感じになってたの。俺は笑って「そんな人なんていねぇよ、全然表から出るけどね」って1人で先に表から出たの。そしたら誰もいねぇの! 誰1人いないの表!(笑) でも車が裏に止まってるから俺裏に行かないといけないじゃん? で、裏に行ったらすごい事になってるの! 言っとくけどファンの方が一枚上手だからね!(笑) 俺そのまま誰にも見つからず機材車乗れたからきっと!
祐 でもある意味、それを「よー!」って手振りながら行くのが、階段また一つ上っていうのか下っていうのか分からないけど、違う段階だと思うよ、俺は。まぁ俺もそれを昔は自然とやってた時もあったけど、本当は嫌だったから、ある時からライブ終わってそのまま外でコーラ買って飲んでたり、ビール飲んだりしてた。そんな光景を見てファンの人達も俺には普通に「お疲れ様でーす!」っていう感じだった状況はあったよ(笑)。
高木 だから俺はそんなアンタが好きなんじゃん! 最初からさ!
一同 (爆笑)
高木 じゃなきゃ、話せてないと思うんだよね!
祐 あーそうかもね! でもそれはどっちが良いとか悪いとかではなくて、それは選ぶ所だからね。だから高木君は選んでるんだよ。
高木 そうそうそう。だから選んでるからこそ、そこはこれからも大事にしたい。更に最近一つ分かったのは、ライブをやってる中で、今までは主役はこっちだと思ってたんだよね。でも違うんだよ。あれね、金払って見に来てるヤツの1人1人が主役なんだよ。例えば俺が何かの曲を1曲やるじゃん? その聴き方とか感じ方ってそれぞれでしょ? そのそれぞれがその時その時に思う事って多分違うわけじゃん? そっちが主役で、あくまでそれを壊さないようにやり切るのが音楽家なのでは? と。
祐 まぁでもそう思ってるのかも知れないけど、現実は今高木君はそんな風にはやってないよ、自分に一生懸命やってるよ。そんな事までステージ上では余裕はないはずだよ。
高木 もちろんね。だから最終形よ。
祐 うん、言ってる事はすごく分かる。
高木 それを分かった時にあれが分かったの、タイタニックの中で演奏してる人が最期までみんなに音楽を聴かせて死んでいくでしょ? あれ実話なんでしょ? あれはまさにあの通りだと思ったね。音楽家って多分そうじゃなきゃダメなんだよ。ムーミン村のスナフキンじゃなきゃいけないわけよ、俺達は。
祐 語るね〜!
ASAKI 語るね〜!
高木 うん、今日は語るよ。でも俺語り過ぎてるんじゃないか?
ASAKI 俺なんか語るタイミングを失ってるからね!
一同 (爆笑)
高木 だって、誉めるからさぁ『lyrics』をさぁ(笑)。
ASAKI いや、良いアルバムだから!
祐 ねぇ!
高木 いいよ、もう(笑)。ASAKIちゃんはどうなのよ?
祐 そうだよ、AGE of PUNK!
ASAKI GUNIWの時の考え方だと、俺等が右向いてるんだったらお客さんも右を向いて欲しいなって思ってた。こういう見方もあるんだよ、ってテクスチャーを俺達が作る感じ。そういうものを作る楽しさみたいのを持ってくれたらいいな、って。そこは今もあんまり変わらないけどね。最近では“みんな本気で遊んじゃえばいいのに”って思ってる。その代わり俺も本気で遊ぶから、みんなと同じ視点で遊ぶからって。“みんなで一緒に遊ぼうぜ”っていう心情があるかな。それが深夜にLOFTでやってるDJイベントになってる。あと心情としてフロアの楽しさを知らない人はステージに立っちゃいけないと思ってるから。好きなアーティストのライブとかは絶対最前で見たいと思うし、そういう風にしてもらったパワーをまた自分も与えられたらいいなと思う。
高木 キッズなんだね、ASAKIちゃんって今でも。それは良いね、羨ましい。でも何となく分かるな、俺もSIONとか紹介してほしくないもんね。
ASAKI ファンでいたいよね。
高木 やっぱSIONの野音(日比谷野外音楽堂)のライブは一番後ろで1人ビール飲みながら見たい(笑)。やばい、俺達もそうならないとね! あとは祐君がいつ音源作るのか気になる所だよね!(笑)
ASAKI それは一番気になる所だよね!(笑)
祐 いやいや、当分作らないっすよ。
高木 曲はさ、LCどれぐらいまであるの?
祐 LC30いくつまであるよ。
高木 どこまでいくの? 一体(笑)。
祐 いや、ずっといきますよ。
高木 ホントに? 詞書こうよ〜もう!(笑)
祐 いや、書く時はきっと来ると思うのよ。今でもあるのはあるわけ。それは書きたいなと思ったのは付いてたりするし。だけど1人で始めて2年ぐらい経つけどまだ足場がぬかるんでるわけだよ。だからまだ“これだ!”っていうのは歌えないわけだよ。バンドの頃っていうのはやっぱり“みんなでやるぞ!”って言ってテーマがあったりするわけじゃない? それは“バンド”っていう事だけでパワフルだけど、それを俺1人でやろうと思ってなかったから、もう強い事も言えなかったりするわけよ。そうすると弾き語りなんていうのは自然と弱いものになっていくわけじゃん? 大人しい感じに。でもそれも嫌なわけよ。だから今は歌詞無しでやってるの。
高木 でもね、この男何が汚いって、歌詞無しでもスゴイのよ、歌が! その歌詞が無い歌をワンステージの中でガー! って歌ってるじゃん? その中でたまに歌詞のある歌がポンと入ってくるわけ。その時のその言葉のこの男のパワーというか、聴く者に入ってくるものって鳥肌が立つものがあるんだよね。
祐 でも言っておくけど、LCナンバーはアレだからね、海外から評価受けてるからね、今!
一同 (笑)
祐 すごくマニアックな所で(笑)。外人の間では流行ってるんじゃない? そういうの。ZI:KILL流れの情報見つけて来るからねぇ。でも「適当だから良い」って言ってくれる外人もいる(笑)。
高木 それはファンだからだよ!
ASAKI だって前にCITTA’でライブやった時にさ、「何その携帯?」って聞いたら「ワンセグだよ」って言って、その後「ワンセグ〜♪」って歌ってたよね? 鼻歌で(笑)
祐 あれ? そうだっけ?
高木 才能がそもそも違うからさ、この人って(笑)。
祐 あ、出た出た。なにそれ?(笑)
高木 これ本当だって! マジで! だからこそ俺は言葉を語ってほしいんだけどね、影響力のある人だから。THE SLUT BANKSとかでも、ちゃんと書いてる詞と適当に書いてる詞といろいろあるんだけどさ。俺が知る限り(笑)。
祐 あー、その通りだね(笑)。
高木 ちゃんと書いてる詞って本当に良いのよ! これが!
ASAKI ZI:KILLなんかこの時代作ったバンドだしね。
高木 でもあと一つ言いたいのが、痩せてたよねー。
一同 (爆笑)
高木 祐君ファンはみんな思ってるはずなんだよ!
ASAKI あれは90年代TUSKちゃんの頃だよね。
祐 だって痩せてたら今ないよ!
一同 (爆笑)
高木 そっか、そっか(笑)。しかしZI:KILLの頃は細かったよねー。
ASAKI ピチピチのパンツとは履いてたよね。
祐 うん。
高木 ダメダメ、痩せよう! あ、祐君はいいや、その感じで。
祐 いいでしょ?
ASAKI あと多分、声の出し方にもよると思うんだよ。必要とされてる身体だと思うんだよ。
祐 嬉しいねぇ!!(笑)
高木 ちょっと! そんな事言ったらまたどんどん食って、俺の所に来るメールが食う話ばっかりになっちゃうんだぞー!(笑)
ASAKI いや、KATZEの敦さん(現在愚息.中村敦)とか、あの身体じゃないとあの歌は歌えないと思うんだよ。凄いぜ、敦さんの歌も。“うわ〜!”って思う。
祐 あっちゃんは反則だよねぇ!


LOFTフードは半端ねぇ!
高木 そういや、みんなLOFTフード食べた? LOFTフードは半端ねぇよ!
ASAKI だってねー、俺に“オムソバが美味い”って教えてくれたのはフトシだからね。
高木 あとオムライスね! 他のライブハウスの打ち上げでも俺用にご飯作ってくれたりする所もあるんだけど、俺が「LOFTだとオムライス出てくるんだけどな…」って言うと、各ライブハウスの店長が喧嘩腰になってみんなオムライス作ってくれるの(笑)。「LOFTには負けねぇ!」って。でもLOFTのオムライスは別格なんだよね! オムソバもそうだけどさ! 初めてLOFTでオムライス食った時にさ、“HATE HONEY”って言葉が書いてあったの、ケチャップで。それは忘れられない。
祐 へぇ!
ASAKI それ前にコラムかなんかで書いてたよね? 俺うっかりそこにコメントしちゃったんだけど(笑)。そういや俺、この間のDJイベントで「オリジナルカクテルの名前付けて下さい」って言われたから“みゆきどうきょう”って付けたけどね!
祐 そうなの? そんな口説き方あり〜?(笑)
高木 そんな事言ったら俺、次“かおりかさい”って付けるよ(笑)。
一同 (笑)
ASAKI みんな巻き込んでいこうよ(笑)。
高木 でも俺一個知ってるんだけど、LOFTのまかない(LOFTスタッフ用のご飯)が一番美味いんだよ、新宿LOFTは。
祐 そうなの?
ASAKI 何? その裏メニュー? 食ったことあんの?
高木 あれ? ない? パックに入ってるやつ。あれ美味いんだよ! 何でか知らないんだけど、あれは美味いと思うよ。LOFTぐらいじゃない? あんな飯があるの。
ASAKI うん、フード出す所あんまりないもんね。
高木 俺ああいうのが大好きなんだよね、みんなで食うのが。大したものは入ってないんだけど、なんか良くない? 口で上手く説明出来ないけど、なんか美味いのよ!
祐 え? それはいやらしい話?
高木 全然やらしくないだろ!? どう聞いたってやらしくないだろ!? (笑)
祐 俺は断然ちくわ派。ちくわ1本ですから。
高木 LOFTラーメン食った事は?
祐 ないよ。あれ? ラーメンなんかあんの?
ASAKI 俺も食ったことないなぁ。
高木 マジで!? あれメニューにないの? 辛いの! スゲーんだって! 半端ねぇんだって! その辛さが!!
ASAKI てかフトシはすげー食うんだよ! 胃下垂だから(笑)。
高木 俺、ほぼ食ってるよ、LOFTフード。“LOFTフードマニア”と言っても過言ではないぐらい(笑)。
ASAKI 俺も最近いろいろ食ってる。
祐 何食った?
ASAKI オムソバとパスタと…
祐 パスタもあんの? 何パスタ?
ASAKI 明太子パスタ。
高木 でもそれメニューになったの最近だよね?
ASAKI この間、今井さんがLOFTに来た時「外で食ってこなきゃ良かったよ」って言ってた。
祐 「外で食っちゃうからいけねぇんだよ」って!(笑)


公開約束“お金よりもハート”
祐 それはそうと、みんなで一緒にライブやろうよー!
高木 そうだね、それはやりたいね!
ASAKI 俺は何をすればいいのか?
祐 AGE of PUNKだよー。
ASAKI バンドでいいんですか!?
高木 AGE of PUNKでいいよ、もう。弾き語れって言ってんのにさー(笑)。
ASAKI それで許していただけますか?
高木 弾き語る勇気がないんだって!
祐 じゃ、試しに今日1曲ぐらいやってみようよ!
高木 いきなりハードル上げるな〜!(笑)
祐 今! 今乱入しようよ!
ASAKI ・・・うん。
高木 あれっ!? 行っちゃいそうな空気が流れてるんだけど!(笑) でも3人でライブはやろう! AGE of PUNKと祐君と俺と。俺もそしたらvezで出るかも知れないし。
祐 出た! ずりー!(笑)
ASAKI ははは!
高木 ま、vezかも知れないし、ゴンブトかも知れないし(笑)。
祐 そしたら俺も戸城さん(戸城憲夫)に電話して「SLUTやろうよ」って…。
一同 (笑)
ASAKI バンド対決になってるし(笑)
高木 戸城さん「だったら俺、ダスボン(The DUST’N’BONEZ)で」って言うかもよ(笑)。
ASAKI ははは! 終わり無き対決(笑)。
一同 (爆笑)
高木 じゃ、バンドは新宿LOFTでやって、弾き語りはNaked Loftとかでやろうよ!
ASAKI じゃkyoちゃんに言わないと。
祐 あ、BUGになっちゃう?(笑)
ASAKI いや、kyoちゃんと2人でアコースティックでやるから。
高木 あー! それも良いね!
祐 いいけどさー、それじゃASAKI君なんかずるくねぇ〜?(笑)
高木 あ! そっか! ずりーよ!(笑)
祐 AGE of PUNKのメインシンガーとして出ないと!
高木 そうだよね! 散々俺等に語っておいて!
ASAKI 動員は大丈夫!
祐 だって動員いらないもん! 欲しいのはハートだよ! ASAKI君のハートが欲しいよ!
ASAKI 良い話だねぇ!(笑)「お金よりもハートだよ」と?
祐 そうだよー!
高木 素晴らしく良い話だね! じゃ決定! 追々日にちを出すとしよう!
ASAKI 勇気も出るように頑張ります!
一同 (爆笑)


新宿LOFTに求める事とは?
高木 LOFTにはずっと“LOFT”で在り続けてほしいと思う。LOFTが持っているプライドをずっと持ち続けていてほしいと思う。
祐 うん、そうだね。この間、小滝橋のLOFTがあった所を通ったら綺麗なビルになっててさ、なんか淋しくなるよね。
ASAKI そう! なんか淋しくなるよね! あそこね! あそこの前で座ってたんだよなーとか思い出す。
祐 だから、「LOFTってどこ?」って聞いたら、歌舞伎町でホストとかそういう兄ちゃん達ですらもみんなが「あそこだよ、あのタテハナビルの下だよ」って答えられる風になってほしいよね。でも今「溜まっちゃいけない」とかうるさいでしょ? そういうのも早くなぁなぁになる2010年代ぐらいになってほしいな。
高木 夢のあるライブハウスってないもんね、あんまり。
祐 ただ若干、敷居はまた上がってるというか、それは前みたいに伝統が敷居なわけじゃないけど、今はインテリ感も出てきてるから、それとミックスしていけばいいと思うよ。
高木 あとキャパもあるよね。前よりキャパ広いし、それは相当デカイと思うよ、今のLOFTの現実として。
祐 横のBAR SPACEにもステージがあるじゃん。夜中とか「やっちゃって下さいよ」って大塚さん(新宿LOFT店長)とかも言ってくれるけど、変に躊躇してしまう自分達も居たりしてさ。もっと自由にやって自由に騒げる空間になればいいよね。(ASAKIに向かって)だからそれ、今日試そ?
ASAKI えっ? い、いいよ。
高木 おっ!!
一同 (大爆笑)
ASAKI あと俺等世代もLOFTに出るっていう事はすごい誇りに思えるから、だから今後出る若い世代の子達もそうだし、お客さんもLOFTを誇りに思ってほしいよね。“LOFTに来ると間違いない”とか、“格好良い所である”っていう。
祐 きっと俺等より上の世代の人とかもLOFTでライブ出来たら嬉しいんだろうしさ、ARBの凌(石橋凌)さんとか、氷室京介さんとかも、“やっぱLOFTでやりたいよな”って思ってほしいし。
ASAKI LOFTから出てくるミュージシャンだから、その辺にいるロックスターよりもホストよりも格好良くなきゃいけないしさ。俺等自身も格好良くなきゃいけないし、お姉ちゃん達もホストどもに目もくれずさっさと帰ってほしいし。
祐 なるほどなるほど! そうだね! 格好良い客でもあってほしいね!
ASAKI そうあってほしいな、LOFTたるもの。
祐 ね! さ、ステージ行こ行こ♪
一同 (爆笑)
■ASAKI 最新情報


<LIVE>
[AGE of PUNK]
6/14(土) 柏ZaX
7/12(土) 下北沢MOSAiC ※ワンマン
8/06(水)・07(木) 川崎CLUB CITTA'
[BUG] ※全てワンマン
8/09(土) 新宿LOFT ※FC限定LIVE
8/30(土) 恵比寿LIQUIDROOM
<RELEASE>
[AGE of PUNK]
7/14(月) 1st DVD発売決定!! ※タイトル未定
・¥4,200(税込)SAR0801009
※2008/2/22新宿MARZにて行われた "For-tea-one" I scream LIVE映像
+SIDEWALK ARTIST ROOM 7th ANNIVERSARY FESTIVAL
-It is seven days in seven concepts.-全公演のドキュメント映像をパッケージ化!
<HP>
http://www.e-sidewalk.net
■高木フトシ 最新情報

<LIVE>
[ソロ]
6/07(土) 下北沢Cave Be ※ワンマン
6/20(金) 渋谷La.mama SOLD OUT!!
8/02(土) 川崎CLUB CITTA'
[vez]
6/18(水) 上野SENSATION
7/03(木) 下北沢MOSAiC
7/14(月) 新宿LOFT
7/21(月) 山形県大石田町桂桜公園野外ステージ
<RELEASE>
ソロアルバム「lyrics」発売中!

・¥2,300(税込)BRCDS-8035
・収録曲:SLIDE/Graphic Pain/蒼い宝石/Killing Me/帰る場所/
Dolphin/Burny/Sorrowful/水彩の赤/So/Last Song
<HP>
http://akuh.seesaa.net/ (高木フトシ)
http://vez.jp/ (vez)
■新宿心音会板谷祐 最新情報

<LIVE>
6/01(日) 柏ZaX
6/18(水) 目黒LIVE-STATION
6/19(木) いわきClub SONIC
6/20(金) 仙台FLYING STUDIO
6/22(日) 横浜BAYSIS
7/04(金) 新宿JAM
7/06(日) 柏ZaX
7/18(金) 新宿JAM ※ワンマン
<HP>
http://setyoufree.biz/
※新宿心音会板谷祐 LC-T-Shirt通販第2弾!2008/6/1から!!